【2020 フィリピン】天国から地獄。火山噴火で日本に帰れない!パニックの空港。
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ドゥマゲテからマニラへ
ほんわか気分で私たちはシキホールからドゥマゲテに戻り、そこからトライシクルでドゥマゲテの外れのシブラン空港へ向かいました。料金はスーツケース含めみんなで100PHPで交渉。
空港内ではお土産で買いたかったシルバナスを購入。10個入り200PHPで購入。
ドゥマゲテ名物、メレンゲの軽いケーキにバタークリームを挟んだお菓子です。
本当はこのお菓子を作っているサンズ・リヴァルのレストランで食べたかったのですが時間がなく断念。また次のお楽しみに。
帰りも行きと同じフィリピン航空でしたが、無事定刻での出発。
やった。問題ない!飛行機の中では優しいお兄さんが下の子と遊んでくれ、楽しい想い出たくさんできたね~なんて話していたのですが・・・
突如、マニラ近郊で火山噴火のお知らせ
もうすぐマニラですよ~ってところで機内アナウンス。近くの火山が噴火したので着陸を見合わせております。しばらくお待ちください。と言っています。乗客のみなさんは一瞬「えぇ~!」とはなったものの特に慌てる様子もなかったのですっかり安心していました。
30分ほど旋回したのち、無事にマニラに到着しました。な~んだ、大丈夫だった。
と、思った2時間後。空港中がパニックに襲われる。
安心して日本へ帰れるものと思ったら
火山噴火とは言っていたけどその後のアナウンスはなかったのでターミナル3で中華を食べゆっくりし、羽田までの飛行機用に子ども用のお菓子をコンビニで買ってターミナル1までの連絡バスを待っているときでした。
警備員のおじさんが急に
「今日はフライト全便キャンセルになったぞ!」
と言い出しました。
私 「え?どういうこと???」
警備員「ボルケーノの噴煙で飛行機が飛べなくなったんだ」
私 「・・・・・・!!!」
周りの人も急に慌てだしました。私はとりあえず旦那にLINE電話し、今日は飛行機が飛べなくなったようなので明日日本に帰られないことを告げました。
さあ、どうしようか。
親切な救世主、フィリピーノのおばさまに助けられる
とりあえずJAL発着のターミナル1へ移動して、そこでJALの方に指示を仰ごうと思いました。しかし心配性の上の子は不安でいっぱいになり泣き出してしまったし、下の子はまだ3歳なので落ち着いて待っていることも難しい状況です。
私は行きと同じように、感じのよさそうなフィリピーノのおばさまに声を掛け、ターミナル1まで一緒に行ってもいいかどうか聞きました。
「もちろんよ。私もJALで日本へ向かうところなの。さぁ、一緒に行きましょう。」
「サンキュー、マーム・・・!」
そのおばさまは東京にあるアメリカ企業で働いていて、今回は連休でフィリピンに帰省していたとのこと。あぁ、一緒に日本に向かう方に出会うなんてラッキー・・・
ターミナル1は大混雑パニック
なんとかターミナル1のバス停に着きましたが、外は噴煙の影響か非常に埃っぽく曇っています。おばさまは「子どもたちに」と言ってマスクをくれました。なんて準備万端で優しいんだ!(まだこのときは1月初旬のコロナ騒動前だったのでマスクは持っていませんでした)
ターミナル内は長蛇の列。エレベーターに乗るのも長蛇の列。カウンターには乗客が押し寄せ大変な混雑。私は単純にJALのチェックインカウンターに行って今後の相談をするものだと思っていたのですが、おばさまは「私についてきて。JALの事務所の方に行くわよ」と普段は行かないであろう空港の奥にあるJALの事務所まで行きました。
チェックインカウンターはひどい混雑状況でしたが、こちらは私たちの他に日本人のおじさま一人しかいません。詳しく交渉したかったので「日本人のスタッフはいますか?」と言うと日本人の男性スタッフが来てくれました。今回のこの状況は大規模災害にあたるため、JALでホテルを負担することはできないけれどホテルを探すことはお手伝いできる、との説明を受けました。
ホテルがなかなか見つからない
そうなんです。行き場を失くして困っているのは私たちだけではないんです。マニラ中のホテルはすでにほとんどが満室になっていました。
別にどんなホテルでも構わないけど、やはりマニラだけに安全面など色々心配…
余計な出費になってしまったけど、子どももいるし今は非常事態。いいホテルないかなぁ・・
そんなヤキモキした気持ちを悟ったかのように、さっきのおばさまが
「安心して。あなたたちが心配だから私も一緒に同じホテルの隣の部屋に泊まるわ。私の地元もマニラから遠いのよ。だから心配しないで。一緒に乗り切りましょう!」
ハァァァァァ…なんて、優しい御言葉!
「いや、マダム、それは申し訳ないわ。たぶん見つかっても紹介してくれるホテルは高いだろうし…」
そしてやっと見つかったホテルがコチラ。
マニラの中心地マカティにある五つ星ホテルでした。
その日の値段、一泊30000円…(高っっ‼︎フィリピンなのに!)
って思ったけどもうここしかありません。
「マダム、ちょっとココ高いよ?良い感じのホテルだし私たちはもう大丈夫だから。マダムはご家族に連絡してみたらどうかな?」
「いや、大丈夫よ。あなたたちが心配だもの。」
いくら日本で働いてるとはいえ、これじゃあフィリピンでの1ヶ月分の平均給料と同じ値段です。
(だからといって私が払いますとも言えない笑)
そんなやり取りをしていたらマダムの息子さんから連絡が。今から迎えに行くよ、と。
あぁ~よかった!
マダムは「ごめんなさい、一緒にいることができなくて。」って何度も言ってくれたけど、もうここまで一緒にいてくれただけで有難いし、本当に救われたし。ホテルだってなんとか見つかったんだから。←高いけど
JALのスタッフも最大限頑張ってくれて、タクシー乗り場まで何かあったら危ないからとキャビンアテンダントを3人も付けてくれて、荷物まで運んで貰って、タクシーも料金交渉して予約してくれて、
ここでまさかのVIP待遇。
(ちなみに私はJALの上級会員でもないしただの陸マイラーです)
ありがとう、マダムのお陰で地獄から抜け出せそう・・・
もしかしてマダムってすごい人だったのかな・・・今一度お礼を言いたい。
こうしてなんとか夜中の混沌とした空港をあとにしたのでした。
つづく